財務を無視した事業計画は、倒産の要因ともなり得ます。貸借対照表、損益計算書を作成し、分析することは事業計画の策定だけでなく、開業した後の企業運営を行っていくためには必要不可欠のことであります。
日々の経営において最低限関心を払っておくべき基本的事項について簡単に触れることとします。類を説明します。
貸借対照表についての知識
貸借対照表とは、B/S(バランスシート)
ともいわれますが、企業の一定時点での資産の運用状況、負債及び資本の調達状況を示すもので、企業がどのようにお金を集め、どのような資産として運用しているのかを現します。
そして、この貸借対照表の各項目から求められる比率は、重要な経営指標となります。ここに、代表的な経営指標を紹介します。
- 自己資本比率 総資産(他人資本(負債)+自己資本)に占める自己資本の割合を示すもので、この値が高いほど財務構造上の安定性が高いと言われています。
- 流動比率 流動負債(1年以内に支払わなければならない負債)に対する流動資産(1年以内に換金できる資産)の割合を示します。一概には言えませんが、この値が100%を超えていることが望ましいと言われています。
- 固定長期適合率 (自己資本及び固定負債)に対する固定資産の比率を示すもので、固定資産が自己資本(及び固定負債)の範囲で賄われているかを表します。この値が100%を下回っていることが望ましいと言われています。
(自己資本÷総資本)×100=自己資本比率
(流動資産÷流動負債)×100=流動比率
固定資産÷(自己資本及び固定負債)×100=固定長期適合率
損益計算書とは、P/L(プロフィットアンドロス)と も言われますが企業の売上高とそれに伴って生じ費用などを示したもので、一定期間における損益の状況を表します。
そして、この損益計算書から得られる経営指標は主なものは次のとおりです。
- 売上高対総利益率 売上高に対する「売上総利益(売上高−売上原価)」の割合を示す比率で、収益力を示す基 本的な比率の一つで収益力を示す基本的な比率の一つです。
- 売上高対営業利益率 企業の収益性、経営能率の良否を示す重要な比率で、企業活動の成果をとらえる指標の一つです。
営業利益÷売上×100=売上高対営業利益率益の状況を示すものです。この比率は営業外損益が多いか少ないかによっても変化します。
経常利益÷売上×100=売上高対経常利益率
売上総利益÷売上×100=売上総利益率