製品・技術紹介
プロテインシークエンサーによるタンパク質同定
タンパク質のアミノ酸配列を決定する手法はいくつかありますが、そのうちの1つとしてプロテインシークエンサー(エドマン法)を用いる手法があります。これは、数pmol(ピコモル:1兆分の1という分子の単位)のサンプル量でN末端側(アミノ基側)から決定することができます。しかし、N末端がなんらかの修飾を受けている場合には(真核生物の50%以上のタンパク質)、N末端からの配列をシークエンサーで直接的に決定することができません。このような場合には、タンパク質を断片化後にその内部配列を決定する必要があります。そこで弊社では、電気泳動で分離したゲル内のタンパク質を直接酵素消化する方法(ゲル内消化)に技術的改良を加え、種々の状態のタンパク質試料の内部配列を決定することに成功しております。現在では、1pmol のサンプル量でタンパク質のアミノ酸配列を決定できるシステムを開発いたしました。
参考価格:35万円
質量分析によるタンパク質同定
近年、注目を集めている質量分析は、タンパク質を構成するアミノ酸の質量を測定する手法であり、数fmol(フェムトモル:1000兆分の1という分子の単位)のサンプル量でタンパク質を同定することができます。特に、昨年ノーベル化学賞を受賞した島津製作所田中氏が開発したMALDI TOF 質量分析法はタンパク質構造解析技術に革命的変革をもたらしました。この技術を用いて弊社では微量タンパク質の分析・同定を行っております。同装置はタンパク質をアミノ酸の小さなまとまりであるペプチドの状態で真空中に飛ばし、その質量を調べて通常のタンパク質か、病気で細胞内に生じたタンパク質かなどを解析いたします。タンパク質を作るアミノ酸配列をN末端側からひとつひとつ確認する上記のプロテインシークエンサーの手法に比べて、「微量のサンプルで高速処理が可能」であり、タンパク質の生成状況から細胞全体の働きを解析するのに適しております。
参考価格:35万円
高品質分子量マーカー
タンパク質解析が注目される中、研究機関などでタンパク質の分子量が正確に分かる試薬の需要が高まっております。弊社が製造している「プレステインドマーカー」はタンパク質の分子量測定の基準となる標準タンパク質をあらかじめ青色に着色し、十個の精製タンパク質にこの青色色素を均一に共有結合させているので、シャープなバンドが得られ、目的タンパク質の電気泳動状態の確認、ならびに泳動後の膜へのブロッティング効率のチェックに最適です。また、ロットごとに厳密に分子量を測定(添付書に記載)しているため、バラツキが少なく安心して使用できます。 なお、「プレステインドマーカー」以外にもCBB で均一に染色される「分子量マーカー」、染色することなくUV を照射するだけで標準タンパク質を確認できる「蛍光標識マーカー」、免疫染色において正確に分子量を決定することができる「ビオチン標識マーカー」などもあります。
参考価格:1万9千円
会社概要
近年、種々生物のゲノム解読プロジェクトの急速な進展に伴い、遺伝子機能の本体であるタンパク質が医薬品開発のターゲットとして世界的な注目を浴びています。当研究所では、1998年に最新式の超高感度自動アミノ酸配列分析装置を、2001年にはハイスループット型の自動アミノ酸配列分析装置を導入し、合計4台の自動分析装置を稼働しております。さらに、 2000年に最先端のハイブリッド型質量分析装置を導入いたしました。このような最新の装置・機械を用いた微量タンパク質の高感度アミノ酸配列分析決定技術を利用して、数年前より全国の大学・企業研究機関からのタンパク質研究受託業務を開始いたしました。現在では、年間千個以上のタンパク質のアミノ酸配列を決定し、その中から年間数百個程度の新しいタンパク質が生まれています。当研究所が開発した技術をより多くの研究者に利用していただくことで、生命科学分野で社会に貢献しております。
名称 | 株式会社アプロサイエンス |
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代表者名 | 金 敦祚 (キムトンジョ) |
創業年 | 1990年 |
資本金 | 18,000万円 |
従業員数 | 23名 |
所在地 | 徳島県鳴門市瀬戸町明神字板屋島124-4(鳴門複合産業団地) |
TEL | 088-683-7211 |
FAX | 088-683-7212 |
okabe@aprosci.com | |
WEB | http://www.aprosci.com/ |
担当者名 | 岡部 慎司(オカベ シンジ) |