環境報告書とは、企業等の事業者が、経営責任者の緒言、環境保全に関する方針・目標・計画、環境マネジメントに関する状況(環境マネジメントシステム、法規制遵守、環境保全技術開発等)、環境負荷の低減に向けた取組の状況(Co2排出量の削減、廃棄物の排出抑制等)等について取りまとめ、一般に公表する報告書である。内容については、これらの基本項目のほかに独自の項目を記載するのが望ましい。 国内の環境報告書の作成・発行が始まったのは、1990年代初頭であり、1997年には環境庁の「環境報告書作成ガイドライン〜よくわかる環境報告書の作り方」が策定され、近年環境報告書を作成する企業数は、急速に増加している。

1.環境報告書のメリット

  1. 企業の信頼性の向上〜イメージアップ
  2. 環境問題に真剣に取り組むことは、現代の企業には必要不可欠の要素であり、その信頼を得ることは、企業にとって計り知れないイメージアップにつながる。そして、それが将来には売上の向上や優秀な人材確保へと結びつくこととなる。
  3. 低環境負荷型の取組の一層の進展
  4. 環境報告書を作成し、自らの環境に関する取組をまとめることは、取組をレビューし、見直すことにつながる。また、報告書に記載するためのデータを収集することは、環境マネジメントシステムのデータ整理につながるだけでなく、データ収集方法やデータそのものの見直しにもなる。更に、データや取組の項目を同業他社等と比較することにより、より一層の継続的改善ができる。

2.環境報告書に記載される基本的項目

環境報告書に記載される基本的な項目は次のとおりである。これらの他に、独自の情報を掲載する企業が増えている。
  1. 最高責任者の緒言
  2. 組織の概要
  3. 環境レポートの基本情報
  4. 環境指針・環境計画
  5. 環境マネジメントシステムの概要
  6. 事業活動と環境の関わり
  7. 事業活動や製品・サービスの環境負荷低減の取組状況
  8. 環境会計
  9. 環境に関する保全・衛生
  10. 環境法規制
  11. 環境教育・環境啓発活動
  12. 環境コミニュニケーション
  13. 環境に関した社会貢献

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